我々釣り人は新型コロナ台風の中でどうすべきなのか

釣りと新型コロナ。 ツリジコ(釣りの教訓)

釣りビジョンの番組プログラムの変更

先日、とあるプロフィッシングアングラーがSNSで「釣りビジョンのロケが無くなった」と書いているのをちらっと見かけました。最近そういうコメントを見かける機会が増えてきたように思います。

そして昨日、久しぶりに釣りビジョン(基本パッケージの有料契約しています)をつけたら、こんなメッセージが出ていました。

当初は密封・密接・密集の3蜜を避けよう、というフレーズは、釣りは関係無いと思っていた人も多かったと思います。実際私は、今でも「ほとんど」関係無いと思っています。

密封・密接・密集の3蜜を避けよう

石田純一さんの感染で風向きが変わる?

しかし、石田純一さんが釣りと同じく、3密とはほとんど関係の無い野外であるゴルフ場で感染した事が4月15日に判明し、急速に風向きが変わりつつあり、我々は否応なく新型コロナ台風過に巻き込まれつつあります。

石田純一さんは感染経路としては4月5日に北関東のゴルフ場でプレーをした際に、同行者に感染者がおり、クラブハウスで食事を一緒にしたとのことで、恐らくそこで感染したのではないかと疑われています。

感染発覚のすぐ後、二日後に日経新聞に日本プロゴルフ協会(PGA)の倉本会長のこんな記事が掲載されましたが、せっかくの倉本会長の努力は水泡に帰しました。またそれと同時に、多くのアウトドア系スポーツ関係者の怒りを誘ったことは想像に難くありません。勿論同じ状況であれば、誰でも感染した可能性はありますので、石田さんを攻めるのは少し酷かも知れません。

しかし、一般人ならいざ知らず、影響力のある芸能人という立ち位置でもあり、1月や2月ならともかく、いい加減大騒ぎになっている4月に入ってからの事なので、東京都知事選の出馬表明もそうでしたが、どうしてこの人はこうも軽率で間が悪いのか・・・と思わざるを得ません。

案の定全国のゴルフ場にはキャンセルが殺到しているようです。

ゴルフ場はクラブハウスがあり、ほとんどの場合はプレーをした後、サウナに入ったりレストランを利用し、3密の状況が生まれます。釣り船ではこのような施設はほぼありませんので、今のところこのようなリスクはゴルフより極めて低いと言えるでしょう。

釣りを取り巻く状況

ですが、4月18日、次のニュースが出て、多くの釣り人の頭の中で急速にアラートがピコーンピコーンと鳴り出しました。

【新型コロナ感染 奄美市の濃厚接触者PCR検査へ 】
奄美市の男女2人が新型コロナウイルスに感染したのを受け、18日、濃厚接触者12人のPCR検査が行われます。感染していないかどうかは夜に判明する見通しです。県や奄美市によりますと、感染が17日に確認されたのは奄美市に住む40代の自営業の男性と、同居する30代のパート社員の女性です。2人は県内の感染症指定医療機関に入院しています。感染した男性は今月2日に埼玉県から奄美に来た男性を迎え、3日から4日にかけて一緒に釣り船で釣りに出かけていました。埼玉県から来た男性は奄美を離れた後の8日に感染が確認されていることからこの男性から感染した可能性があるということです。濃厚接触者は奄美市の男性と別の日に釣りをした男性6人、女性の職場の同僚5人とその家族1人あわせて12人です。18日中にPCR検査が行われ、感染していないかどうか夜に判明する見通しです。

よりによって不要不急の外出をしないように要請されている中での、埼玉県から鹿児島県です。そもそも釣りがどうのという以前に、どうして今時そんなに長距離を「越境」して行ったのか、妥当性を疑われても仕方が無いかも知れません。

関東の釣り船屋さんでは、昨今こういう注意書きが目立ってきていますが、運行中止までは至っていないところがほとんどのようです(ただ、もしかするとGWは結構休む釣り船があるかも知れませんね)。

  • 神奈川 横浜 新山下 釣り船/防波堤渡船 渡辺釣船店

    新型コロナウィルス感染拡大防止対策として、お客様には以下のご協力をお願い致します
    ・熱、咳の症状のあるお客様、または体調の優れないお客様はご乗船をご遠慮下さい。
    ・ご来店の際、店内、船のキャビンなど、密閉空間とされる場所へ入室の際はマスク、又はそれに代わるネックウォーマー、フェイスマスクなどの着用をお願い致します。
    ・受付時には必ず手・指の消毒をお願いします。(アルコール消毒液の準備がございます)

 

  • お願いします | 千葉県長浦港 こなや丸

    「新型コロナウィルス」への対策にご協力お願いします。☆基本マスクの着用をお願いします

    ☆乗船人数の制限をさせて頂きます

    ☆微熱が続いてる、味覚、臭覚がおかしい等の方はご乗船をお控えください

    ◎レンタルの竿やライフジャケットは仕様後は毎回洗浄消毒を行ってます

    ◎手洗い場に殺菌ハンドソープは今まで通り置いて有りますので、是非ご利用下さい

    ★★★
    最後に、過酷を極めている状況の中最前線で向き合っている”医療従事者の皆さん”には敬意を表させて頂きます(礼)。

メディアでも一部の企業ではありますが、営業停止ではなく一部時間短縮にするところも出てきています。釣りの業界は飲食店業界同様、メーカーもメディアも中小の小企業がほとんどなので、営業停止は事実上「経済的な死」を意味しますので、例え時間短縮であったとしても、影響は計り知れません。

また釣り雑誌もで注意を促す記事を掲載するようになっています。

釣りと新型コロナ。

釣りと新型コロナ。

客観的に言うと、ゴルフ場でも釣り船でも感染が確認されている事情はわずか数件であり、感染確率は宝くじで5億円当たる可能性よりも低いはずです。しかし、人はリスクにより敏感であり、次第に暗雲が「釣り」というスポーツ・趣味、というより生きる意味か?にも確実に、しっかりと、押し寄せてきています。

釣りのYouTuberも自粛モードに

YouTuberの世界でも、新型コロナウイルスの影響が出だしています。事実上日本初めての釣りYouTuberと言っても良い、チャンネル登録者数ぶっちぎりダントツ143万人を抱える「釣りよかでしょう」が活動休止を表明(僕もチャネル登録しているので残念です)。緊急事態宣言の期限であるGW開けまでは総集編等、これまでの焼き直しや極力人に会わない動画に限定して配信するそうです。

これを皮切りに、準大手?で(釣りのYouTuberは一強多弱の構造になっています)同じく僕の好きな、突撃!ヨネスケの釣り旅ch【日本一周編】ちゃんねるよしゅあなどが活動休止を表明しています。英断ではありますが、見ていて本当に一ファンとしては悲しくなりました。

繰り返しになりますが、日本全体としてみれば、客観的な感染可能性としては宝くじ以下です。釣りよかも動画で述べていますが、例えば拠点である佐賀県内では多くの人がいつも通り外出しており、東京のような緊迫感はありません。そもそも首都圏と地方では人口密度が桁違いですから、ある意味当然の事と言えるでしょう。ですが、100万人以上のユーザーを抱えてているYouTuber達の立場を考えれば、感染リスクの可能性が高い低いという事ではなく、安易な人達に「間違ったメッセージ」を送る可能性を考慮してという事の方が意味合いとしては大きいのではないかと思います。

実際こういうおバカさんも世の中にはたくさんいます。

首都圏の場合は、そもそも一昨年の台風で海釣り公園の多くが破壊されてしまい、復旧の目処が立たない中で、それでなくても限られた釣り場に釣り人が密集しています。そんな中で他の釣り公園が営業を自粛し出してしまい(人数制限をすればいいだけだと思うのですが)、結果的に次々と閉鎖になり・・・と、更に負の連鎖、3密リスクに拍車をかけています。何でもかんでもとにかく自粛すれば良い、リスクをゼロにすれば良い、という事ではなく、リスクをいかに管理していくかが個人的には極めて重要だと思うのですが・・・。

ただこの状況は千葉東京神奈川という人口密集県に特有の問題であり、ほとんどの地方では起こらない問題でもあります。とは言え、新型コロナウイルスの不安は日本全国に広がりだしており、地方の港でもこういう事例が出始めています。

  • 札幌圏から客多数「釣り控えて」 古平町:北海道新聞 どうしん電子版

    【古平】後志管内古平町は新型コロナウイルスの感染防止対策の一環として24日、古平漁港や古平川河口に釣り自粛を要請する看板を設置した。不要不急の外出の自粛要請にもかかわらず、先週末には多数の釣り客が札幌圏から訪れており、町は釣り客への自制を求めている。 町が設置した看板は5基。漁港や河口部は本来道が管理するが、今回は町が道に働きかけて設置した。

    政府は16日に緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大し、不要不急の外出自粛を求めた。しかし、18、19日の週末にはホッケやサクラマスの釣りシーズンとも重なり、古平町には多数の釣り客が訪れた。「多い時間帯では200人を超す釣り客がいた」(町総務課)。

    古平町の貞村英之町長は「高齢者の多い小さな町が必死に感染防止に努めているときに、レジャー目的で大量に流入されたら元も子もない」と釣りの自粛を訴えている。(川村史子)

釣り業界全体としては、この問題について公に語る団体はほとんど無く、様子を注視している、というような状況ですが、23日にはJGFA(「ジャパンゲームフィッシュ協会」)が以下のような釣り人への正式な「自粛要請」を発表して波紋を広げています。

二極化し、いがみ合う釣り人。

ということで、釣りにおいても徐々に「包囲網」ともいうべき状況が生まれつつあるわけですが、ツイッター等のネット上においても、釣り人は大きく分けると二つの層に二極化し出しています。

一つは「今すぐ釣りをやめろ!家から一切でるな!!」という自粛派です。この様な人達はジャンルを問わず一定数存在しています。

もう一つは「まあ大丈夫でしょう」派です。こちらも一定数、というか、勝手な想像ですが肌感覚的には大部分の釣り人はこちらに属しているように思います。

4月12日の島牧海岸。サクラマスを狙うアングラー。

私としては大変申し訳無いのですが、どちらかというとズボラな「まあ大丈夫でしょ」派に近いのですが、ですが、どちらも言い分としては全く間違っていないなと個人的には感じます。

「例え極小であったとしても、リスクはあるんだから家から出て釣りに行くべきでない。田舎のコンビニで感染が発覚したら地域の機能が麻痺してしまう」

という意見ももっともだと思いますし、

「釣りはほとんど3密じゃないし、リスクは限りなく低い。なので注意すれば十分問題ない。むしろ街中より安全。街中のコンビニの方がよっぽど恐い」

という意見ももっともです。

しかしこの手の議論は正直なところ、「宗教論争」の域に近づいているなとも感じます。双方「絶対間違ってない!」から「お前が間違っている!」になりつつり、ヒステリックな感じさえ正直受ける事があります(すいません)。ある意味「釣り」という同じ価値観、共通言語を持つ我々「釣り人」にとって大変不幸な状況が生まれつつあります。

感じる釣り人の変化

それで私はというと、4月に入ってからは2回ほど週末に海釣りに行っています。自宅前から車に乗って出発。ドアツードアで釣り場を行き来しました。これは別にコロナだから、という事ではなく、普段通りです。注意するようになったのは、友達と一緒に(同じ車で)行かなくなったという事。現地で会うことがあっても距離を取ること。

先週入った渓流。周囲半径ウンkm、僕と熊しかいない。。

仕事においても、平日在宅勤務になっています。なので社内外との打ち合わせもほとんどネットで、もはや恒常的に人と直接会ってない状態です。恐らく日本国内でも相当人と会ってない方ではないかと思います。

4月12日に島牧方面でジグで釣ったホッケ。ジグで釣るホッケはサイズがでかいです。

そんな私ですが、この4月の二回の釣りに行った感想として「少しだけ」ですが釣り場で釣り人が増えた印象があります。にしても何しろでっかいどう、北海道、隣の人との距離は10メートルなどという「近い」距離では全くありません。そして「おや?」と思うのは、釣り人が出ている割には、ツイッターやfacebookに書き込んでいる人が、えらい少なくなったのでは?と感じる事です。

正確に発言統計を取れば分かると思いますが、恐らくこの体感は合っているような気がします。つまり、釣りには行くが、世間の自粛ムードを反映して、ネットに書かなくなっている人が増えているのではないか、という事です。

自分はどうすべきなのか。

それで、私も正直どうしたもんなのかな・・・と思案しました。ブログのPVは微々たるものですし、YuTubeはチャネルはやっていますが、見ての通り思わず吹き出してしまうような登録者数です。

結論として5月7日の緊急事態宣言明けまで、以下のようにすることにしました。まず元々仕事であまり行けてない(月2回行けるかどうか)、という状況はあるのですが、今後も基本的には行けるようであれば、釣りは出かけます(すいません)。

ですが、これまで通りドアツードアである事。人とは極力接しない。現地で買い物はしない(どうしてもやむをえない場合はコンビニ等最低限とする)、そして世間に間違ったメッセージにならないように、極力ブログSNS等では書かないようにする、という事にします(これ以前に書きためているレポートが何本かあり、それはリリースしていきます)。これ以降の釣りレポートは新型コロナウイルス騒動が落ち着いた頃に、バックナンバーとして(主に自分の記録用になりますが)公開する事にします。

本来でれば、釣り場のある田舎で買い物をして、メシを食べ、お金を落とすことが、地方活性化の一助にもなり、自然という地方の財産にタダ乗りしない釣り人の勤めだと個人的に思っていますので、断腸の思いではあります。ですが、現状を考えるとやむを得ないと思います。

先週釣ったエゾイワナ。冷たい渓流の流れ込みから出てきました。優しくリリース。

そして更に個人的に大事にしたいと思っている事は、このような方針を他の釣り人には決して強要しない、SNSで釣果を上げている人を非難する事もしない、という事です。

人それぞれ直面している感染リスクは異なりますし、一概に安全だ危険だとは言えません。ですが、それでも大前提として今は「平時ではない」「非常時である」ヘタをすると「戦時下である」くらいの心持ちでフィールドでも気をつける必要があるのに反対の人はいないはずです。

どうか我々釣り人同士、いがみあったり避難し合ったりするのにお互いエネルギーを使うのではなく、いかのリスクを管理するか、我々自身の普段のちょっとした配慮、気遣いを、より前向きにSNSでも共有出来ればと思っています。

さて、いい加減長くなってすいません。扱う内容が壮大過ぎて、僕の様なアマチュア書き手には少々大きすぎるテーマだった知れません。また他意はありませんので、至らない表現や、カンに障った方がいらっしゃったら深くお詫び申し上げます。ですが釣りを取り巻く現状の環境には強い危機感があります。違うところを探し合うのでは無く、共通項を見つけて共に努力する事が大事だと思い、あえて駄文書かせて頂きました。大変失礼しました。

#石田純一さん、早く良くなってくださいね。

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