苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート ツリジコ(釣りの教訓)

去る11月3日(水)、苫小牧東港の1本防波堤の試験解放がありました。時間は5時~14時まで。私もお昼頃から少しだけ様子を見に行きました。後日NHKでもニュースが流れていました。

  • 釣りで地域活性化を 苫小牧の立ち入り禁止の防波堤を試験開放|NHK 北海道のニュース

    港にある防波堤など港湾施設を整備して「釣り」をできるようにすることで、地域の活性化を目指す取り組みが苫小牧市の港で試験的に行われ、多くの釣り人で賑わいました。

    国は「釣り」を通じた地域の活性化を目指して、全国各地の港湾施設を「釣り文化振興モデル港」に指定していて、道内では去年、苫小牧港が初めて選ばれました。

    この取り組みの一環で、苫小牧港ではこれまで立ち入り禁止だった東港地区の防波堤で来年4月から有料で釣りができることになり、3日、日本釣振興会などが試験開放を行いました。防波堤には抽選で選ばれた70人あまりが訪れ、思い思いのポイントで釣り糸を垂らしていて、風が強いなど厳しい条件のなかでも、クロガシラガレイやトウベツカジカを釣り上げて喜ぶ人の姿もありました。

    防波堤では、安全対策として80メートルおきに浮き輪と縄ばしごが設置されたほか救助用のボートも用意され、札幌市から小学生の子どもと訪れた父親は「非常に広くて良い釣り場だと思いました。天気の良い日にまた来てみたい」と話していました。日本釣振興会北海道地区支部の牧野良彦副支部長は「皆さんが楽しむ姿を見てほっとした。多少費用を払っても安全安心に楽しんでもらえる場所を提供することは意義深いと思う」と話していました。

以前にもこの件についてはこちらに書かせていただきました。

最初はテントで受付。入場料(入漁料かな)と駐車料金500円を払います。
苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

参加賞を頂きました。
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この他お土産も盛りだくさんです。
苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

この一本防波堤の有料開放事業は、日本釣振興会北海道地区支部さんの大活躍でどうにかここまでこぎ着けました。支部は一昨年まで道新スポーツ内(つりしんと同じフロア)にありましたが、今は釣り具センター/コルソを経営している(株)アイビックさんに移っています。ひたすら釣り場の立ち入り禁止が増えつづける中で、偉業と言っても差し支えないと思います。日本釣振興会北海道地区支部

女性や子供とって大事な(いや男性もなんですが 汗)、トイレも簡易型が二カ所駐車場に設置されています。安心ですね(ただ、ちょっと防波堤から遠いのでご利用はお早めに)。苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

遠くに防波堤の入り口が見えます。道中、ちょっとした段差にも板がはめ込まれています。安全対策がきめ細かい。苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

入り口が見えてきました・・・。苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

長らく開かずの間だった苫小牧一本防波堤。その扉が開いた歴史的瞬間です。苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

白線も行政の指導の元新しくひかれています。これも日釣振とボランティアの皆さんが春先に頑張っていらっしゃいました。頭が下がります。
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感想を一言で言うと、「安全対策がすごい」という事に尽きます。防波堤では80メートル間隔で一つ救命器具と縄ばしごが設定されており、またハシゴ自体も複数のポイントで設置されていました。更に万が一の場合の救命ボートも(!)待機してました。この公開にあたっては、国土交通省や海上保安庁等からの指導あり、今年の春先に数日間にわたって実際に人を落水させ、救助訓練なども行われていました(後日報告書も提出。釣り場として解放するための条件だったようです。ものすごい規則が厳しいですね。。)。

万が一のために救命ボートが待機。
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試験解放終了後撤収しました。
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新たに設置された固定式救命ハシゴ。複数箇所に設置されおり、落水してもめちゃくちゃ安心です。以前は落ちたら夏以外は事実上「アウト」でした。もっとも10年以上閉鎖されていた訳ですが。。
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救命浮き輪は80メートルおきに設置。万全の体制です。
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浮き輪はすぐに投げられるようになっています。苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

固定式のハシゴがない場所では縄ばしごが用意されています。すごい周到な準備です。
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あまりに安全過ぎて、もはや無敵感すら漂います。。苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

苫小牧東港の1本防波堤が立ち入り禁止になってから多分10年以上は経っているかと思いますが、それ以来一度も来たことが無かったので、先端に立った時はなんだか懐かしいというか少し感動しました。日中堂々と入れる、そんな当たり前のことに気の遠くなるような労力がかかっています。振興会、ボランティアさん、関係者の方の多くの方のご尽力に一人の釣り人として厚くお礼申し上げます。苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

私もちょっとだけ竿を出してみましたが、ボでした(無念)。
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現地でボランティア・スタッフをしているHojyoさんと遭遇。釣り場で会うのは何年ぶりか。呑み会の方が多い?(^_^;)。 JSF(Japan Sportfishing Foundation / 公益財団法人 日本釣振興会)のスタッフ・キャップがお似合いです。ここ数年、「ノース・アグラーズ」や「週刊釣り新聞ほっかいどう」等、北海道の釣りメディアでHojyoさん執筆の記事を見ない時はありません。北海道のフィッシングシーンをリードする人物の一人になりました。そろそろご自身のブログの方も真面目に更新お願いしますw。
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さて、この日の釣果ですが振興会の方曰く「思ったより釣れた」との事です。個人的には、1本防波堤自体はバカスカ山のように沢山釣れるという印象はありません。とは言っても立ち入り禁止になる前の話ですし、広くて快適です。春先には結構サクラが上がっていたという話も聞いていますので、いずれにしてもこれからがとても楽しみです。

また、この一本防波堤の有料釣り公園化に伴い、一部の方からは「他を閉鎖する口実になるのでは?」とか「なんで釣りにお金を払うのか」「一本防波堤を釣り場として公認する事によって苫小牧東西全域で釣りが禁止になってしまうのでは」という批判や懸念が一部あり、私も良く見聞きします。振興会の方にもそういう質問が結構寄せられているとのことです。

実際苫小牧西港は、今までは黙認されていたのが、先月より強い姿勢で釣り禁止をアナウンスする事態になっており、管理組合からはあまりにもマナー違反がひどいのでやむにやまれずの対処となりましたとのお話も聞こえてきます。

  • 苫小牧港西港区、釣り人立ち入らないで 禁止区域に看板設置:北海道新聞 どうしん電子版

    苫小牧港を管理する苫小牧港管理組合は28日、苫小牧港西港区の立ち入り禁止区域に釣り人が増えていることを受けて関係者以外の立ち入り禁止を呼び掛ける看板を設置した。今後、計24個を設置する予定。

     看板は縦0・9メートル、横1・2メートル。赤と黄色のデザインで「釣りなどによる立ち入りは禁止」「警察に通報することがあります」と明記した。この日は同組合の職員が西埠頭(ふとう)の入り口付近の臨港道路に12個を設置した。

釣り人が港から閉め出されてしまうかもしれない心配は、私も一人の釣り人としてとてもよく分かりますし同じ懸念を感じています。全国的に釣り場の閉鎖が相次いでおり、端から見ていて明るい材料が正直あまりありません。また全国的に一度釣り禁止になった釣り場は二度と開放された実績がありません。

その中で、今回一本防波堤が一度閉鎖された後、有料とはいえ、北海道で初めて釣り場として解放された、風穴を開けた、というのはやはり前向きに評価されるべきだと思っていますし、関係者の方の努力にお礼を言いたいです。今のままだと数年後「一本があってまだ良かったよな」という事になってもおかしくない状態です。

一本防波堤が有料開放されたので、バーターとして他が釣り禁止になった、のではなく、そもそも釣り場の閉鎖、釣り禁止は増えているのが長年変わらず一貫した状況だと思います。その流れの中で、たまたま今回一本防波堤が関係者の尽力で有料化でこじ開けたというか開放された、というのが正しい認識じゃないかなと言う気がしています。勿論釣り場がどんどん無くなっている危機感は関係者の間では共有されており、それが今回の北海道では前例を見ない、困難を極めた有料釣り公園化(受付テント一つ立てるのにも市街地調整地域なのでNGとか、何気ないちょっとした事に猛烈な調整と手続きに手数がかかっているそうです)への原動力になったのは間違いありません。

真面目な話を書くとどうも暗い見通しになっていけませんね。なんかすいません。しかし、前向きに今回の有料開放を嬉しく思いたいですし、評価したい(ってなんか偉そうですね 汗)と思います。来春がとても楽しみです。関係者の方には一人の釣り人として重ねて深く感謝です。

ヘチをねちねち攻める。ガヤのバイト?を合わせ損ねまくる・・・。苫小牧東港一本防波堤の試験解放レポート

 

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